2014年3月31日月曜日

青山学院大学 中村えりか


「インターンシップを通じて感じた日本の社会問題と、
それを解決するために学生時代に何ができるか」

2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まり、7年後に向けて盛り上がっている日本。だが、日本には東日本大震災の復興や福祉、増税など多くの問題が積み重なっているのも事実である。これらの社会問題は早急に解決を求められているものもある。

今回の豊島区議会議員の本橋弘隆先生の下でのインターンシップを通じて、教育や福祉、経済など多くの問題に触れ、いま政治家たちがそれらに対し、どのように考え、取り組んでいるかを目の当たりにした。そしてその経験を通じ、政治家だけでなく私たち国民も、より社会に参画意識を持つことが必要なのではないかと考えた。

その中でも、1番関心を持ったのが教育問題であった。そもそも今回、私が本橋先生の議員インターンシップに参加しようと思った経緯は、日本の政治、特に教育についてよく知りたいと考えたためであった。それは、所属している学生団体で発展途上国にボランティアに行った際に感じたものだった。

世界には、生まれた国や地域が違うというだけで、最低限度の生活も確保されていなかったり、学校に行けないなど満足な教育が受けられなかったり、と福祉や教育を始めとする様々な部分で苦しんでいる子どもたちがいる。学校に行きたくても行けない。夜に勉強したくても、勉強するための電気がないから勉強できない。これらはいかにして解決の道が切り開かれるのか。

こうした実体験を通して、世界の現状、政治について関心を持つようになった。だが、その前に日本の政治について知らないことが多く存在するということに気付いた。そこで、自分自身が日本の経済や福祉、そして教育など日本に関してより知識と考えを深めなければならないと感じ、本橋先生への下への参加に至ったのだ。

今回の活動の一環で、本橋先生の地元で発行されている雑誌の記事に関して取り組んだ。それはいまの同世代による、「バカッター」という事件に関するものであった。この「バカッター」というのは、ツイッターなどのSNSで、飲食店でアルバイトをしている学生が自店での不衛生な行動をしたり、ディズニーリゾートに遊びに行った学生がアトラクションの最中に危険な行為を起こす、などの不適切な画像を投稿することをいう。

このようなことをインターネット上で公開すれば、非難が集まるであろうことは理解できるはずなのに、どうしてこのような事件が立て続けに起こるのか。恐らく、彼らはツイッターやフェイスブックなどのSNSを不特定多数の人に見られていると思っていないのだろう。そして、このような事態が家族や学校に迷惑をかけ、想像以上に深刻な問題になるというところまで考えが及んでないのかもしれない。

こうした事件が相次いで起こっているのは、日本教育の「貧困」にも関係しているのではないかと考えた。児童の約6人に1人が「貧困」であると言われている日本。生まれる家庭によって、十分な教育が受けられない子供がいるのは、すべてが親の自己責任というわけではないと思う。実際、2011OECDが調査した、教育費の公的支出額の国際比較を見てみると、OECDの先進国の中で、日本は公的な教育支出額の割合が最も低い水準であることがわかっている。一方、水準の高い国、例えばスウェーデンでは、小学校から大学卒業までは、家計負担がほとんどない。ここから教育費は税金で賄うという福祉国家的な教育観が強く根付いていることがわかる。

以上のようなことからも、国として教育により力を入れていけば、今回のようなモラルやマナーの面での問題も少しは改善されるのではないかと考えた。

今回の本橋先生の下でのインターンシップを通じて、日本の政治を中心となって動かしている政治家たちは普段どのような仕事をしているのかを学べたと思う。豊島区という行政ばかりではなく、先生の支援者や地元の人との交流であったり、事務作業であったり、と生の政治を見ることができた。

「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、耳にするだけではわからないことが沢山あったように思う。自らの肌で触れ、目で見てこそ、初めてわかることが多かった。

例えば、議会や委員会での進行方法や、議案に対する発言にも政党ごとの色が出ているのを見れたことなどが挙げられる。議会や委員会は手続きをすれば、傍聴できるものも多くあるが、普段なかなか足を踏み入れることはない。ましてや、政治家のインターン生としてこのような活動に携われることは滅多にない貴重な経験であったと感じる。

政治は学生の中で、堅苦しいだとか、真面目というイメージがあると思うけど、それは政治について詳しく知らないから、というのもあるのではないだろうか。人は関心のないことに対して知らないのではなく、知らないから関心を持てないのだと考える。私自身も今まで知らなくて、関心がなかったものがあった。

だが、実際に今回のインターンで、「知った」ことで関心を持ったものもいくつもあった。だから、まずは「知る」ということが大切だと思う。なので、私はこの経験を多くの人に話して伝えたいと思う。そして、今後の社会を担っていく同世代の若者に政治の面白さ、重要さを少しずつでいいから「知って」もらいたい。そして、「知る」ことによって、興味が生まれ、さらにそのことについて知りたいと思い、自らが行動し、新たな一歩を踏み出すきっかけを少しでも与えられたら、と考えている。

そして自分自身も、人に話すことでより自分の中で落とし込みをしたり、考えを深めたい。なので、まずは身近な問題を取り上げていき、それを「知る」ことから始めようと思う。その上で自分の頭で考えて、たくさんの人と交流し、様々な価値観や考えに触れて、それを吸収し、幅広い視野を持てる人になりたい。そのために、残りの大学生活では、社会に参画意識を持つことは勿論だが、人との出会いを大切にしていきたいと考えている。

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