2014年4月1日火曜日

国際基督教大学 高島幸之介


「地方議員とは~本橋弘隆事務所での体験を通じて~」
 
      

  「どんなに小さなことでも注意してよく見て考えなさい。」
 これが、私が本橋先生の下でインターン生として活動を始めてから、初めてご教示いただいたことでした。それは当たり前のことでありながら、私が日々の生活の中で行えていなかったことだということに、その時気づきました。
 今になって考えると、これには国会議員に比べ地域により近いところで住民に支えられている存在である地方議員として、日々住民とのコミュニケーションを深め、彼らが生活の中で何に悩み、何を必要としているのかを会話の中からだけではなく、地域をよく「見る」ことで住民の「無言の声」をすくい取って、それに応えるよう努力する、という本橋先生の哲学が根底にあるのではないかと思います。
 また、ある日には、「特に地方政治とは、日々の行いを通して大多数の中間層の住民から、いかに支持を得られるかが重要だ」と、この様に仰っていましたが、ここにもその哲学を見出すことができます。

  今回、私がこの議員インターンシップに参加したのは、長い海外生活から帰国して、自分が日本の政治についてほとんど無学で、国または地方の政治的意思決定に携わる有権者の一人として、危機感を覚えたからです。
 これまで私は、海外の学校の市民教育の一環として、選挙の際の情報収集の仕方や、自分の指示する候補者を巡って討論なども経験してきましたが、日本における選挙制度や政治のあり方などには殆ど触れていませんでした。
 そこでこれを機に、実際に政治家の活動に身を投じて政治の中からその世界を体感すれば、メディアを通して得た政治のイメージとは違った角度から政治を考え直すよい契機になるのではないかと考えたのです。

  実際に活動を通じて実感したことは、地方議員の活動というものが、メディアなどでよく目にする国会議員のそれと比べ、予想以上に地道で泥臭く、かつとても人間味のあるものだということでした。たとえば、地元の盆踊り大会の際の町会や自身の支持団体などに対する協力や気配りなどが挙げられますが、この様な住民との地道なコミュニケーションや人脈作りを通じて信頼関係を築くことが、双方にとってWIN-WINの良い関係となり、より良い地域環境の構築という相乗効果へと繋がっていくのだと実感しました。いかに他人を気遣い、思いやり、為になれるかが、政治家としてだけではなく、社会の一員として必要な心構えなのではないかと思いました。

  また、地元のマンション建設計画についての評議会においては、区の職員や区議会議員のみならず、町会・自治会の人々や専門家なども議論に参加し、直接に政府と行政に意見を述べている光景を見て、この様な地域のあり方について政府や行政に働きかけることのできる場があり、市民としてこうした活動を行っていくことも重要なのだと感じました。
 それと同時に、それまで遠い存在であった政治の世界を、より身近なものに感じることができました。

  2ヶ月という短い期間でしたが、本橋先生の下での活動は、政治についてだけではなく自分についても考え直す良い経験になりました。これまで気付いたり学んだりしたことを実際に率直に行動に移せるかはまだまだ難しいところですが、この貴重な体験を忘れずに、これからの様々なことに気を配りながら日々生活していこうと思います。

  今回大変お世話になった本橋先生、自民党豊島区議団の先生方、小池百合子事務所の方々、高松町町会の方々、ならびにI-CASの方々には、貴重な体験をさせていただき、心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

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