2010年5月6日木曜日

日本大学 小山正太

映画を制作するに当たって重要な事項が三つあります。
一、説得力があるか
一、発見を与えられるか
一、観客の願望を叶えられるか

私は今回の研修活動で政治を学ぶと同時に、上記の三つの事項の大切さを、身を持って学びました。せっかくなので、上記の事項と照らし合わせ、この感想文を書かせて頂きます。
 最初の説得力とは、取材活動等の下調べがものを言います。僕がこの研修を受けようと思ったのも、取材活動をしたかったことが一因しています。例えば、私が地方政治を舞台にした物語を描くとします。その時、議員の方だけを描くわけではありません。地方政治に携わる全ての人にスポットを当てなければならないのです。つまりはどれだけの人と出会い、生の声を聞けたかで、物語のリアリティが決まってしまいます。本橋先生から提供して頂いた研修活動には、出会いと生の声に溢れていました。先生が日頃から連携されている議員の方々、区役所の方々、そして地元の方々等、多くの方のお話を聞く中で、地方政治の姿というものを見ることができました。
 次に発見。今までのテレビドラマや映画で描かれてきた政治は、敷居が高いというイメージを抱かせたり、登場人物の議員も近づきがたい印象を与えたり、というものばかりでした。実際は違います。特に、本橋先生は地元の方と日頃から気さくに接されている方です。僕ら研修生に対しても、学生のお客様としてではなく、一人の大人として扱ってくれました。時には優しく、時には厳しく。豊島区の議長という重責を担っているにも関わらず、時間をかけて真剣に向き合って下さいました。また、本橋先生から紹介された議員の方々も、先生のように熱い方ばかりでした。もし僕が映画で議員の方を描くとすれば、観客が驚くほど真っ直ぐな議員ばかりになることでしょう。そのことで今まで抱かなかった政治家像を観客の方々に発見して頂ければ幸いです。
 最後に、観客の願望を叶える。こればかりは、作り手の技量、それのみにかかってしまいます。身につけるためには先人が残した優良な映像作品を見るしかありません。しかしながら、本橋先生は一本の映画以上に人の願望を叶えようとする気持ちを持っている方でした。政治家としてはどうすれば生活者の暮らしが豊かになってゆくかを考え、ご家族に対してもその姿勢は変わらず、僕たち研修生に対しても試行錯誤をして頂けました。朝の早くから夜の遅くまで、人と向き合い続ける姿は映画人として見習わなければなりません。優良な映画は技術を与えてくれます。先生は心の在り方を教えて下さいました。
 最後となりましたが、政治家志望ではない私を研修に迎え入れて下さった本橋先生、本橋先生と出会わせて下さったアイカスの皆様には感謝を言葉だけでは表現できません。将来、研修での経験を映画作りに活かします。そして生活者が現在よりも肥えた目で政治というものを見つめてゆけるような作品に仕上げます。

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